2014年11月23日日曜日

アナログエフェクターとデジタルエフェクターの違いって?


みなさんこんにちは!
今回はVoxToneGarageシリーズ、DoubleDecaDelayのご紹介・・・
とその前に!デジタルエフェクターとアナログエフェクターの違いをみてみましょう。
(長~い文が続きますので、史上最もおもしろくない記事になる可能性・・・!?)



さて、ディレイといえばアナログ派とデジタル派(こんな派閥があるのかわかりませんが笑)の確執が、
顕著に表れるエフェクターのひとつです。
アナログエフェクターとデジタルエフェクターの良さを語りだすとキリがないのですがつまるところ、

デジタルには決して出せない、アナログの温かみ。
アナログには決して出せない、デジタルの異空間。

この二点について語られるのではないでしょうか?

両者が共通するものは、大胆に言うとエフェクトと出入り口の信号だけなんです。
(昨今ではデジタルのDSPを使用し、他は全てアナログで処理するハイブリッドなディレイもあるようです)


【アナログとデジタルの具体的な違いとは?】

アナログは音を”音”として認識し加工します。

みなさんもやったことありますよね、ヤマビコ。
山々に向かって「やっほー!」と叫ぶと、声がエコーして返ってきます。
これがいわばアナログエフェクトの処理方法、音を”音”として加工している様なのです。

その音楽的に響く暖かい音は(BBD素子の副産物)、多くのプロミュージシャンを魅了し、続けています。
しかし、アナログエフェクターの信号はノイズに弱い性質をもっており、多くのエフェクターを接続すると、
”音ヤセ”とよばれるものが顕著に表れてきます。

更にアナログには弱点があり、そのエフェクターが出せるエフェクト(音色、機能)に限界があります。
誤解を恐れずに言うと、

音を出した時に現れる音の現象(エフェクト)を、そのまま増幅している

に過ぎません。
色々なエフェクトを搭載できずに、一辺倒なエフェクターに仕上がる場合が多いのです。


対して、デジタルは音を”数字”に変換して加工します。
その性質上、デジタルエフェクターには必ず入口と出口にアナログ/デジタル変換器が装備されています。
(コンバータともいいます。)

そのため、デジタルエフェクターは内部に限り、ノイズの干渉をほとんど受けません。
これがデジタルはノイズに強いと言われる所以でしょう。
そしてデジタルには最大の強みがあります・・・。

それは表現力、ポテンシャルの高さです。
音を数字に変換するということは、数字を操り、変幻自在に音を変えられるということにつながります。
デジタルディレイの圧倒的な表現力は、アナログディレイの足元にも及びません。


全体的に、アナログ悪!デジタル正義!みたいな記事になってしまいましたが(笑)
ほとんどのメーカーはデジタルエフェクターに利点を見出し、続々とデジタルへ移行している状況です。
KORGが発売した名器SDD-3000の復刻バージョンも、もちろんデジタルディレイ。
(SDDは初代から既にデジタルでしたが)

最近発売された、某有名エフェクターメーカーのオーバードライブ、ディストーションのリメイクエフェクター。
こちらは完全なるDSP処理の歪みエフェクターです。頭の先からつま先まで完全にデジタル処理ってことですね。
にも拘らず、その歪みの音圧、高音の粘度、中音域の伸びなど、もはやデジタル臭が〜などというレベルを完全に超えています。
オリジナルを超える、コピーを製作してしまったのです・・・。

そんなデジタルの目を見張る成長に対して、アナログではメリットとデメリットが釣り合わないのでしょうか?
(BBD素子に関しては、現在1社しか製造していない状況です。その前はほぼ供給停止状態でした。)


アナログは絵、デジタルは写真】

紙に書かれた文字(アナログ)と、パソコンに打ち込まれた文字(デジタル)の違い。

最近では、タブレットで本が読める時代になってきました。
持ち運びはもちろん、気になることがあればネットで調べたりアプリをインストールすることで、
無限の可能性が秘められているタブレット端末の勢いはとどまることを知りません。

デジタルに淘汰されていくアナログ。
その関係性は、あらゆるところで起こっている事象。
エフェクターは、そのほんの一例に過ぎないのかもしれません・・・。


ながーーーく書いてきました今回の記事、アナログとデジタルの違いをおわかりいただけましたでしょうか。

KORG製品には(KIDを含め)アナログディレイとデジタルディレイが混在しています。
次回にTrike Fuzzの記事を挟み、DoubleDecaDelayを中心にディレイについてご紹介していきましょう!


村山